シリぼう的ドイツ3大スイーツ
今回は、ドイツスイーツに焦点を当てる。ドイツの食べ物と聞くと、ジャガイモ、ソーセージ、ビールなどを思い浮かべる人は少なくないだろう。スイーツならイタリアでは?などと想像するかもしれない。何を隠そう、渡独をするまでは、私もその一人だった。
しかし、ドイツにもイタリアとは異なるが、確固たるコーヒー文化が存 在する。※1 もちろん、コーヒーのお共をするのは、いつでもどこの国でも甘い食べ物だ。ドイツ では至るところに、日本とは比べられない程、たくさんのカフェや 製菓店※2がある。
そんな環境下で、様々な店を訪ね歩いた。在独3年を経とうとする今、何時でも食べ たいスイーツがある。甘党を自称するシリぼうが、悩みに悩んでを選び抜いた。今ここに 、独断と偏見だけで、ドイツ3大スイーツを発表する。
第3位 Berliner(ベルリナー)
(2017年6月某日自宅にて 筆者撮影)
いわゆる、ドイツの揚げパンである。見た目はミスタードー○ツのエンゼルクリームに近い。生地の食感 は若干異なり、エンゼルクリームよりも、密度が高い。しかし、表面にはパウダーシュガーあるいは砂 糖がまぶしてある点は同じである。
一番の特徴は、中身である。中身はジャムであり、 例えば、苺、チェリー、梅など店や地域によって異なる。ちなみに、パン屋で店員に直接注文して買う場合、必ず「何のジャムを選びますか」聞かれるので、受け答えの準備は必ずしておくこと。
(2017年6月某日自宅にて 筆者撮影)
また、このベルリナーの面白い点は、呼び名が地域によって異なる点である。私の住んでいるフランクフルトでは、Kr eppelと呼ばれるが、地域によっては、Berlinerや Pfankuchenと呼ばれる。
ドイツ全国のほとんどのパン屋で、この揚げパンを買うことができ、料金は、押し並べ て、一つ60セントから1ユーロ程度※3である。また、5つセットのベルリナーで、3 ユーロなどの形で特売品で売られていることも少なくない。しかし、いくら甘党のシリぼうでも、一度に5つのベルリナーは食べきれなかったことだけは、ここで付け加えておきたい。
第2位 Frankfurter Kranz(フランクフルタークランツ)
(2015年某日フランクフルト某所にて 筆者撮影)
フランクフルトご当地スイーツである。パン屋で売られている のは見たことない。ただ、フランクフルトの製菓店あれば、 ご当地とあってか、たびたび目にすることができる。また、ドイツに来る場合、フランクフルト国際空港を利用する人が多いので、旅のついでに立ち寄ることも可能だ。
バタークリームのケーキである。何層にもスポンジが重ねられて作られ、表面はクリ実入りのキャラメルで覆われているのが特徴である。Kranzとはドイツ語で「輪(わ)」もしくは「冠(かんむり)」を意味する。それは、かつてフランクフルトが、神聖ローマ皇帝の戴冠式行われていた場所であることを由来とする。
ところで、日本のケーキは、キメの細かい空気をたくさん含んだフ ワフワのスポンジが特徴だろう。小生、 シリぼうも日本の柔らかいシフォンケーキが好物である。しかし、 ドイツケーキの特徴は、スポンジが固く密度が高い。
ドイツのケーキは、実際に食べてみると、見た目の大きさ以上にずっしりと腹にくる。ド イツに来た当初はこの重く甘いケーキを食べるのは大変だった。ただ、 食べ続ければ、簡単に慣れる。故に、この甘く重厚なドイツケーキは、コーヒーと相性が良い。
その後、日本に一時帰国した時、ケーキを幾度か食べたが、空気を 食べているみたいとどこか物足りなさを感じたのは私だけではないだろう。
第1位 Spaghettieis(スパゲティアイス)
一番のスイーツを語る上で必要な要素とは何か。味はもちろんのこ と、見た目、ネーミング、創造力などの様々な角度から、 総合的に判断する必要がある。
シリぼう一押しはこれだ。
(2015年某日フランクフルト某所にて 筆者撮影)
パスタのように見えるのはバニラアイスで、 トマトソースの部分はイチゴだ。また、チーズの代わりに、 ホワイトチョコのチップがイチゴソースの上にかけられている。
ドイツではアイスカフェなるアイスとコーヒーの専門店がある。 スパゲティアイスは、アイスカフェの常備定番メニューである。 夏が近づくとアイスカフェがオープンし始める。 外のパラソルの下で、コーヒーと共にこのアイスを食べるのが、 私の贅沢の一つだ。
このようなアイスは日本で見かけた事がない。しかし、 私が食した限り、日本人の舌にあっていると思うので、 日本で販売すれば、バカ売れかもしれない。
以上でもって、シリぼうスイーツランキングを終える。 野暮ではあるが、 ドイツに来た際には、上記のスイーツをどれか食べるのを強く勧める 。ドイツ人風に言えば、「あたなは、絶対に食べなければならない 。」※4だ。
※1 ドイツのコーヒー文化:別項で取り上げる。ここでは、ひとまず、ドイツにもイタリアと同じようにコーヒーをよく飲む習慣があるとだけ伝えたい。
※2 ドイツの製菓店:ドイツ語でKonditoreiと呼ばれる。チェーンではなく、個人が営業する手作りの洋菓子店といったら想像しやすいか。
※食べなければならない。
※3 60セントから1ユーロ:日本円で1個あたり、75~124円(2017年6月17日 1ユーロ=124円レート換算)となる。
※4 「~しなければならない」:ドイツ人は、見知らぬ人に何かを勧めるのが大好きだ。かつて筆者は、ドレスデン(ザクセン州)で市内周遊バスに乗るために、チケット売り場にいた。店員に、何時に乗るかと聞かれたので、今からと答えた。そこに、その会話を聞いていたあるドイツ人の通行人が、「あなたは、夜のドレスデンを見なければならない。」と強く夜ツアーを勧めてきた。