お気に入りドイツ語の諺3つ
今回は、ドイツ語の諺を取り上げる。とりわけドイツ、ドイツ人ら しい諺を紹介したい。なぜ、諺なのか。それは、諺から ある種の国民性を見つけることができそうだからだ。
もちろん、ただ諺だけで一般的なドイツ人の考えを導き出せると言うのは、いささか早計である。しかし、ある程度の考え方や文化 を垣間見ることはできる。それは日本語でも同じであろう。例えば、「石の上にも三年」と聞 けば、主張や変革よりも、我慢あるいは忍耐が、一般的な日本人に とって重要な価値観だと言えるだろう。
もちろん、ただ諺だけで一般的なドイツ人の考えを導き出せると言うのは、いささか早計である。しかし、ある程度の考え方や文化
また、諺の場合、数年前に生まれたのではなく、数十年、100年 、あるいは1000年もの長い時を経て、未だに使われている表現 であることが多い。時間という競争の中を生き抜いた表現には、未 だに使われ続けるだけの一定の合理的な理由があると考えるのが普 通だろう。
それ故、今回ドイツ語の諺を取り上げる。それらを通じて、ドイツやドイツの国民性を紹介できればと考えている。
ブログを書くにあたって、ドイツ語学習者でなくとも諺を通してドイツ人の考え方 を少しでも理解できるよう努めた。それでは、私、シリぼうお気に入 りの諺を3つ紹介する。
(2012年12月某日 フランクフルトにて 筆者撮影)
1.Ordnung ist das halbe Leben.
日本語訳:人生の半分は整理整頓である。
1.Ordnung ist das halbe Leben.
日本語訳:人生の半分は整理整頓である。
ドイツ人の家に行けば必ずあるものは、ファイルだ。
しかし、こちらの整理整頓とは単にモノを片づけるにとどまらない。ドイツ人の仕事にも当てはまる。そこでは、ただ、書類を分けるのではない。 業務内容自体も誰がどこまでするのかきっちりと仕分けするのだ。
2.Man soll den Tag nicht vor dem Abend loben.
日本語訳:その日の夜になる前に、その日を褒めたたえてはいけない。
日本語で言えば、「捕らぬ狸の皮算用」だろう。
ドイツ人の堅実さや慎重さの表れなのだろうか。
ドイツ人の堅実さや慎重さの表れなのだろうか。
この諺は、日常会話でも使える。
ある日、義父との会話でサッカーの話になった。
ある日、義父との会話でサッカーの話になった。
サッカーの2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会欧州予選
その際に、私はこの諺が使えると思い、「Man soll den Tag nicht vor...」と言ってみた。しかし、私の話し方が遅かったせいか、義父に「dem Abend loben!」と先に言われてまった。ちなみに、この割り込み式先で、「私、答
3.Übung macht den Meister.
日本語訳:修練が名人を作る/練習が達人を作る
もともとマイスター制度を由来する言葉であることからか、仕事場
ある日、 コンピュータを使ったある作業をドイツ人に教えてもらっていた。 おそらく難しい仕事ではないのだが、コンピュータ上に標準される 言語はドイツ語だし、同僚の説明も当然ドイツ語なので、後で一人 で出来るか心配だった。
するとそのドイツ人同僚はこう言った。「分からなかったら何度で も質問してくれ。今日してみて、また明日して段々と慣れればいい 。当然、ミスをすることもあるだろう。また、明日も説明する。繰 り返しが重要で、“修練が達人を作る”だ。」
また、別の機会に詳しく取り上げるが、ドイツ人の職場は日本ほど 慌ただしくギスギスしていない。もちろん職場によっても異なるだ ろう。しかし、私が体験している限り、間違いなく言えるのは、「 1回で覚えろ」的な重圧は無い。他方で、 クソ忙しい日本の職場で、質問でもしようものなら「あれ、 前にも説明したよね?」 何て親切な前置きでももらえるかもしれない。
もちろん、一度で全てを学ことができたら、理想だが、 人間には限界がある。萎縮させて良い事はあまりない。 日独の職場については別に取り上げる。
最後に、これらの諺から言いたいことは、 コツコツと実直に事を運んでいくドイツ人らしさが垣間見れたから だ。確かに、ドイツには、 イタリアやフランスのような華やかさはない。しかし、 そのような落ち着いた精神風土が、 自分の気質にはあっているのではないかと思う。
※参考サイト